愛しのエリー【ホラー短編】
その声は、どこか不気味だった。
色んな音が混じりあうように聞こえ、生身の人間が発して出る声には聞こえなかった。
…ヒタッ。
女の子が一歩、階段を下りる。
途端に、揺らぐ姿。
女の子の姿は揺らぎ、歪み…、
尋常じゃない様子で近づいてくる。
紗希は叫びたかった。
それなのに、悲鳴すら出ない。
体も動かない。
何も考えられない。
その時、体がガクンと揺れ、ハッとした。
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