愛しのエリー【ホラー短編】
「紗希ちゃん?」
「どうしたの、千堂さん…!?」
紗希の尋常じゃない様子に、香奈枝、悠二、先生が次々と疑問の声を上げた。
「…出たんだ」
呆然と紗希を眺めていた航平が、答えるようにつぶやいた。
「…出た?」
香奈枝は眉をひそめながら、問い返して、すぐにハッと息を飲んだ。
何か、思い当たることがあったようだ。
「ま、まさか…」
「まさか…?」
悠二が聞き返す。
「さっきの、幽霊ってつぶやき…」