愛しのエリー【ホラー短編】
「…そうだ。さっき――」
航平は言いかけて、言葉を止めた。
また、音がした。
…ヒタッ。
「……ッ」
航平は言葉にならない叫びを上げた。
航平の視線の先に気づいた紗希も同じように、かすれた悲鳴を上げる。
香奈枝達の向こうに、さっきの幽霊が立っていた。
「あ、ああ…」
紗希は口もとを左手で押さえながら、ブルブルと震える右手で皆の後ろを指差し
た。
「な、何、どうしたの…?」
水木先生が恐る恐る、ふり返る。
そして、