愛しのエリー【ホラー短編】
『え、り、ィ…』
女の子は、口の端を上げてニタッと笑った。
ゾクリと震えが背中を駆け抜ける。
「あ…あああ…」
紗希は両手を握り合わせながら、震えた。
誰か、生身の人間があたし達を脅かしてるんだって信じたい。
だけど、そうではないと信じてしまう何か――
恐ろしさが彼女にはあった。
「に、逃げなきゃ…」
香奈枝がつぶやく。
だけど、
「どこに…!?」
紗希は叫んだ。
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