愛しのエリー【ホラー短編】
「う、うん」
紗希は立ちあがって、周りを見た。
航平も香奈枝も、悠二も先生も、皆、疲労が顔に色濃く出ていた。
幽霊が出るって話だけど、皆、信じていなかった。
それがまさか、こんなことになるなんて――。
でも、この恐怖も終わり。
「皆、行くぞ」
航平がそう言って、窓に足をかけた。
「よっと」
何事もなく、地面に着地する。
それを見て、紗希は嬉しくなった。
すぐ後ろに立つ先生をふり返った。