愛しのエリー【ホラー短編】
その感覚に、紗希はいつも、ゾクリと全身が粟立つ。
時間のある時には別の階段を使うのだけど、
下駄箱から一番近いこの階段を上がると教室のすぐ側に出るため、
今日のように友達と一緒では遠回りできないでいた。
きっと、気のせい。
何事もなく笑う友達の顔を見て、紗希はなんとか笑った。
気のせいじゃなかったら、誰もこの階段を使わないはずよね。
そう信じて、3階まで階段を上りきった。
廊下にさしかかると感じる暑さに、紗希はホッとした。
友達とは教室の前で別れ、ドアを開けた。