愛しのエリー【ホラー短編】

ドシンっと振動とともに、航平が紗希の体を支える。


紗希は航平の首に手をまわして、その体にしがみついた。



「あんた達、いちゃついてないで、急ぐわよ」



すでに校門に向かってる香奈枝の声にビックリして、紗希は体を離した。



「あ、あの…ありがとう」



恥ずかしくて、絶対に顔が赤い。


航平くんの顔を見れないよ!



「いや、行こうか」


その表情はわからなかったけど、

航平はあたり前のように紗希の手を掴んで、走りだした。







「お疲れ様です」


校門に着くと、警備員のおじさんがライトを向けて挨拶してきた。



紺色の警備服を着た、40代くらいの中年の男だ。

< 71 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop