愛しのエリー【ホラー短編】
ドシンっと振動とともに、航平が紗希の体を支える。
紗希は航平の首に手をまわして、その体にしがみついた。
「あんた達、いちゃついてないで、急ぐわよ」
すでに校門に向かってる香奈枝の声にビックリして、紗希は体を離した。
「あ、あの…ありがとう」
恥ずかしくて、絶対に顔が赤い。
航平くんの顔を見れないよ!
「いや、行こうか」
その表情はわからなかったけど、
航平はあたり前のように紗希の手を掴んで、走りだした。
「お疲れ様です」
校門に着くと、警備員のおじさんがライトを向けて挨拶してきた。
紺色の警備服を着た、40代くらいの中年の男だ。