愛しのエリー【ホラー短編】
イチ
「はぁ、やっと終わったー!!」
校門から歩いて5分の公園にやってきて、香奈枝は伸びをした。
紗希はベンチに座り込み、
不安から誰にでもなく聞いた。
「ねぇ、これで解放されたんだよね?」
「そ、そりゃそうでしょ…」
香奈枝は尻すぼみになった。
「たしか、昼間は出てないんだよな?」
航平は香奈枝に聞いた。
「そのはずよ。学校の外で出たなんて話も聞いたことないわ。
ここまで来たら、大丈夫のはずよ」
強がって言ってはいるけれど、香奈枝もどこか不安そうな顔をしている。