愛しのエリー【ホラー短編】
さっきとは反対側の出入り口に、幽霊は立っていた。
「な、なんで…!?」
香奈枝は足を止め、じりじりと後ろに下がった。
また幽霊に背を向け、こっちに向かって走る。
その香奈枝の体を幽霊が通り抜け、消えた。
香奈枝がドサッと音を立てて、地面にうつ伏せに倒れる。
「か、香奈枝…!?」
紗希はとっさに、先生の手を離して、香奈枝に走り寄った。
悠二と航平も後に続く。
「香奈枝、大丈夫!?」
「う…うん、何があったの…?」
香奈枝が地面に手をついて、体を起こした。