愛しのエリー【ホラー短編】

さっきとは反対側の出入り口に、幽霊は立っていた。




「な、なんで…!?」


香奈枝は足を止め、じりじりと後ろに下がった。



また幽霊に背を向け、こっちに向かって走る。



その香奈枝の体を幽霊が通り抜け、消えた。


香奈枝がドサッと音を立てて、地面にうつ伏せに倒れる。




「か、香奈枝…!?」


紗希はとっさに、先生の手を離して、香奈枝に走り寄った。



悠二と航平も後に続く。




「香奈枝、大丈夫!?」


「う…うん、何があったの…?」



香奈枝が地面に手をついて、体を起こした。

< 88 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop