愛しのエリー【ホラー短編】
航平に腕を引かれ、彼を見る。
航平は焦った顔をしていた。
「で、でも、先生を助けなきゃ…!!」
紗希が叫ぶなり、幽霊が紗希を見た。
「ひっ…!」
怖さで身がすくむ。
「このままじゃ、俺らもやられちまう」
航平は紗希の腕を引っぱって、走りだした。
紗希の足も自然と着いていく。
見ると、悠二と香奈枝が先を走っていた。
「ま…待って…!」
後ろから聞こえた弱々しい声に、紗希は足を止めかけた。
しかし、航平に引っぱられる。