愛しのエリー【ホラー短編】
ゼロ
あれから無事に家へと帰りついた紗希は、一睡もできないまま朝を迎えた。
先生を…見捨ててしまった。
最後の先生の叫びが何度も何度も再生される。
耳に残って、消えてくれない。
先生はどうなったんだろうか。
変にドキドキしながら、紗希は学校へ向かった。
教室に着くと、香奈枝が元気よく「おっはよう~」と挨拶してきて、紗希はびっくりした。
「…お、おはよ…」
昨日、あんなことがあったのに、いつも通りすぎて、違和感を感じる。
昨日あったことすべて、実は夢オチだったならいいけど、
寝てないのだから、そんなわけない。