ココロ-タスケテ、ダレカ-
真新しい制服に身を包み、元気に家を出た日から早、1ヶ月。
陸はまだ友達が出来ずにいた。
思い返せば自分から声をかけない自分が悪い。
だが声をかける勇気がない。
いつも“楽しそうだな”って見つめて羨むだけ。
『あたしもみんなと同じ所にしとけばよかったな……』
なんて思いつつ、1人で通学路を歩いた。
でも唯一楽しみが出来た。
それはバスケ部が練習するのを見ること。
陸はバスケが大好きで、チケットを取り、わざわざ見に行くぐらいのファンだった。
先生に推薦されて『ここに入ってもいいかな』って思った理由が一つある。