ココロ-タスケテ、ダレカ-



涙がボロボロと溢れ出した。


自分ってなんて情けないんだろう―――。

後輩の前でこんなに泣いちゃって―――。


陸は持っていたボールを落とした。


そして泣き崩れた。



華緒流が陸を抱き締めた。


「華緒流、ありがとう………。」


陸は喉を詰まらせながら必死に言う。


「あたしって情けないね。先輩なくせに。ゴメンね?」


後輩のみんなが、


「情けなくないです!!陸先輩はカッコいいと思います!!」


「そうですよ!!先輩、自分を責めないでください!!」


と泣きながら言ってくれた。


陸はとても嬉しくて何度も何度も『ありがとう』と言いながら頷いた。


< 72 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop