ココロ-タスケテ、ダレカ-
陸はビックリして振り返った。
その男子生徒はクラスメイトの瀬田直樹(セタナオキ)だった。
直樹は陸が自殺しようとしているのだと思い、オロオロとした。
「ダメだよ、ダメだからね?」
陸は必死に気遣ってくれる直樹を見て笑った。
「大丈夫だよ。自殺はやめたの」
と言いながら、フェンスを超えた。
直樹はホッとしたらしく、笑った。
「なんだ、よかった。」
「心配してくれてありがとう。でも瀬田くんは何しにここに来たの?」
「空気が吸いたくて。開いてるみたいだったから来てみただけ、」
「そうなんだ、」