ココロ-タスケテ、ダレカ-
感謝
陸の手術は無事終わったが、意識が戻らないまま、9日ほど経った。
その間、身内以外は入室禁止だったので、誰も見舞い人は来ていない。
入室許可が出たその日、美和江が目を開けず、呼吸器を付けたままの陸の頭を撫でていた時だった。
コンコンとノックをする音が聞こえた。
「はい、どうぞ」
すると女の子と男の子が顔を覗かせた。
それは華緒流と直樹だった。
話し合って一緒に行こうと言うことになったらしい。
入ってくるなり挨拶をする。
「あの、あたし陸先輩の部活の後輩の中山華緒流といいます」
「僕はクラスメイトの瀬田直樹です」
美和江は2人にゆっくり近付いた。
実は刺された日の夕方、学校に電話した美和江はあることを聞かされた。
クラスメイトの男の子の直樹くんと言う子が、陸を励ましてくれていたらしい。
それと部活の後輩の華緒流さんがイジメてる子達に一喝したらしい。
それに部活の後輩の嘉穂さんが職員室にすぐ助けを呼びに来てくれたんですよ。
美和江は会いたくて仕方なかったのだ。