バカと天才と神一つ

†  Ⅰ  †

『生徒指導室』と書かれた教室の前に立ち、雲居は鼻で笑った。


「何も言い返せないくせに……」


ノックをしてドアを開けると、教員が四人いた。


ハゲ(学年主任?)、英文法、担任、国語。


人数を集めれば雲居が少しでも従順になるとでもおもったのだろうが、くだらないことだ。


雲居は誰も口を開かないうちに、目の前の席に座った。


わざとらしい溜息が聞こえた。


口で言えばいいのに、誰も何も咎めない。
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