求めて求められてクロスオーバー
彼女から告白をされ
二人は幼い恋の中へ……

お互いに
無器用な恋の中へ……


でも、

とても

幸せだった……



「ねぇ? 二人乗りしない?」
「うん、後ろに乗ってね」

「きゃ! 落ちちゃう!」
「ちゃんとボクにつかまってって」
「うん……うふふ……」

彼女の華奢な腕が
ボクをギュっと抱きしめ

彼女の小さな手は
ボクの胸元に……

彼女の可憐な顔は
ボクの背中に……


「そんなにしがみつかなくても大丈夫だよ」
「だって……うふふ……」


夕暮れの坂道
二人乗りの自転車

背中には
幸せそうな
彼女の温もり

ボクにも
幸せな彼女の温もり


今となっては
懐かしい温もり……



ああ、たったの二年……

たったの二年の歳月を経て
呆気なく別れてしまった二人。



信じられない出来事、

それは16歳の別れ……



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