不思議の国の不思議なお歌
第3音【秘密】
「あのね……」
「うん」
「さっき、アリスが言ってたでしょ。人魚姫って」
「うん」
「それ……私の事なの…」
「「っえ?」」
叔父さんと叔母さんの声が重なった。
「私は、アリスが言ってた6人のお姫様の内の1人。」
「どういう事だ?」
「私、ものごころついたときから、人魚姫の記憶があったの。唄を歌うのが大好きで、人間の世界が気になってしょうがなくて………人間の王子様に恋をしてしまって‥‥」
マリア……
「これは、私達6人のゲームなの、だから……奏は……気に……しない……で」
マリアは、泣きながら言った。
ギュッ
「か、奏!?」
俺は、マリアを抱きしめていた‥‥無意識だった‥‥
「1人で抱え込むなよ。そのゲームには、俺も関わってるんだろ?なら、抱え込まないで、ちゃんと俺に、言ってくれ」
「………」
マリアは、黙った。
それからマリアは、深呼吸をしてから、俺の目を真っ直ぐ見て………