不思議の国の不思議なお歌
第2音【少女】
「ほら、お前らー。飯だぞーー」
「「はーい」」
は〜、よかった。晩飯が抜きじゃなくて。抜きだったら、確実に俺、死んでたな……
「う〜ん、美味しいぃ」
「ふふふ、よかったわ、美味しく食べてもらえて」
「すごく美味しいよ、叔母さん」
「そうそう、お母さん?」
「なにぃ?」
「今日ねぇ、兎がいたんだよぉ」
「まぁ〜そうなの?お母さんも、見たかったわ〜」
キャッキャッ
ホントこの、親子は、仲が良いなぁ〜。
俺は、10歳のときに、親を亡くして、それから7年間ずっと、マリアの家にお世話になっている。
「不思議の少女、本当にいるのかしらねぇー?」
ビクッ!!
――?マリア?
コンコン
「ハーイ?誰かしらこんな夜遅くに」
ガチャ
「ハイ?」
「初めまして。ここに、 兎さんは、いる?」