あなたとの時間が
玄関を出ると
すぐに春だと実感した。


いいにおいだ。

桜の花のかおりがする。

あたりを見回すと、
もう満開に花が咲きほこっている。


・・・って!
こんな場合じゃねぇ!

俺は全速力で春の道を走り抜けた。

しばらく走っていると、ようやく学校が見えてきた。
すると、またさっきのわくわく感が戻ってきた。


「ここで高校生活を送るのか・・・。」

やっぱ楽しみだっ


ふと時間を見ると、8時を30分ほど過ぎていた。

入学式は8時半からだ。


―――もう、間に合わねぇ


ま、いいか。

初日から遅刻とか不良じゃん俺。

半分あきらめて、俺はとぼとぼ歩き始めた。


〜♪

校歌かなぁ。
うたが聞こえる。



もうすぐ体育館だ。
・・・たぶん。


なんか恥ずかしいな。
出るのやめようか。


いや、
出たほうがいいよね。

入学式だし、
桜、満開だし。


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