恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
幸運
―幸運―
「失礼しまぁす」
クーラーの効いた静かな職員室に一歩足を踏み入れる。
数人の先生がパソコンに向かっていて、鉄平は顧問の先生の隣で何か話していた。
「おう!こっちこっち」
手招きをする鉄平の元に駆け寄る。
まるで、ずっと前からこの職員室にいたかのように、職員室に馴染んでいた。
「疲れてるのに悪いな」
鉄平はそう言って、私に丸い椅子を近づけた。