恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
ちょこんと座った私に顧問のおじいちゃん先生が言う。
「兵藤、今日は大人しいなぁ」
「何言ってるんですか。私はいつも大人しいです~!」
「嘘ばっかり。お前はいつもにぎやかでうるさいから」
鉄平は、ニヤっと笑って私を見た後立ち上がる。
「確かに、トレーニング中はお前の声が響いてたぞ?」
聞こえてたんだ。
てか、私の声ってちゃんと認識してくれていたことが嬉しい!
「宮崎君がお前の練習熱心な態度を褒めてたぞ」
コピー機の方に歩き出した鉄平の背中を見ながら先生が言った。
鉄平が褒めてくれた?
私を?
たった1日なのに。
嬉しい!!
嬉しい!!!
私、めちゃめちゃ頑張っちゃうもん!!