恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「はい、どうぞ。高いよ、これ」
人差し指と中指に挟んだ紙を私に向けて差し出した。
「ありがとうございます!!」
紙を受け取る時に、ほんの少し触れた手が、ジンジンしてしまった。
心臓もドキドキしていて、顔も火照ってしまう。
“恋”ってこんなにも素敵なものだったんだ。
「明日も早く来て練習するのか?職員室に顔出せば、俺も練習付き合うぞ?」
別れ際に、そんな言葉をくれた。
やっば~!!
やばい。
秘密のふたりきりの特訓ってこと?
私が毎朝早く来て練習してるって誤解してるけど、それでもいい。
私、明日からみんなよりも早く来て、サーブ練習する!!!!!
恋をして、テニスもうまくなって・・・・・・一石二鳥じゃん!!