恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
邪魔だなんて!!
そんなわけない。
でも、鉄平がそこにいると思うと、体がうまく動かない。
てか口も回らない。
見とれちゃう。
顔っていうか、雰囲気っていうか、鉄平から出ているオーラが、素敵すぎる。
「1年の時の夏休み、覚えてるか?」
「はい。ずっと球拾いで、死にそうでした」
毎日毎日球拾いとトレーニング。
ボールを打つのは数分だけだった。
「そうだよな。今年から、それを何とかしようということで、こうして分かれて練習することになったんだ。俺も1年の時は辛かったな」
鉄平は素振りをしながら話していた。
「夏の球拾いは地獄です。ずっと立ったままで何回も倒れたりしたなぁ」
「普段の練習はいいけど、夏休みくらいは1年や2年にもしっかり練習させてやりたいからな」
鉄平のそういう優しさが好き。
てか全部好きなんだけど。