恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
ふと不安になる。
鉄平は、1、2年にも教えてたりするの?
あ、でも、ずっとこのコートにいるから違うよね?
「1、2年は、俺と同じ大学の子が教えてるんだ。ここの中学卒業で、俺よりは厳しくないかな」
どんな人なんだろう。
私には関係ないけど・・・・・・
むふふ。
てか黒く焼けた肌、めちゃ綺麗。
触ってみたい。
「兵藤の目標は何だ?」
素振りをやめた鉄平は、少し真剣な表情になる。
名前をはっきりと呼ばれるとドキドキする。
覚えてくれた。
「目標・・・・・・、今年の夏を部活に捧げることです」
「具体的には?」
「具体的って?」
「試合でベスト8に入るとか、そういう目標」
「そんなの無理です。私、コーチも知ってる通りテニス部ではお荷物な存在だし。1勝するだけで、満足です」