恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
それから数分後に、部活のみんながやってきた。
敦子や美紀が私と鉄平を見て、こっそり冷やかしてきた。
「じゃあ、校庭ランニングしっかりな」
鉄平は、みんなにそう声をかけて、クールな後姿で去って行く。
ふたりきりの秘密の特訓。
テニスのテクニックだけじゃない。
考え方。
私の弱かった部分。
心の持ち方を変えてくれた。
鉄平への想いは、どんどん大きくなるばかり。
ポーっとしている私を見て、敦子が背中を叩く。
「今年の夏は、特別な夏になりそうだね」