恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「最近、サーブの調子も良いみたいだな。俺の個人レッスンの成果が出てきたか?」
「はい!!本当に鉄平のおかげです。早朝練習を始めてから、自信がついた気がします」
「そうか。それは良かった。明日は久しぶりの休みだから、今日は居残り練習でもすっか?」
そうか、明日は休みだっけ。
てことは、鉄平に会えないんだ。
他の部員は、プールに行くとか映画に行くとか喜んでいたけど・・・・・・
私にとっては、部活だけが生きがいだった。
鉄平に会える、それだけで嬉しかった。
「居残り練習!しまっす!!」
「ほぉ~。やる気あるじゃん。じゃあ、居残りしたいメンバー集めてここで待ってろ」
そっか。
私だけじゃないんだ。
当たり前だよね。
ふたりきりが良かったなぁ。
アイスを食べ終えると、サッカー部の見学に行っていた美紀達が戻ってきた。
「彼氏も頑張ってたか?」
鉄平に冷やかされて、恥ずかしそうに笑う美紀。
「えへへ」
みんな、恋してる。
私も、恋してる。