恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「凛!ねぇ、鉄平って彼女いるのかな?」
普段は一緒に行動していない有美が声をかけてきた。
「さぁ・・・・・・どうだろ」
「仲良しなんだから、聞いてみてよ」
有美は、一番大人っぽい顔立ちをしていて、学年でも人気があった。
でも、特定の彼氏はいなくて。
最近少し危険な存在だなと思っていた。
練習をよくサボる有美は鉄平に目を付けられていて、注意されては嬉しそうな顔をしていた。
「かっこいいよね~!大人の男って感じなのに、偉そうじゃないし。同級生なんてガキにしか見えないよ」
校舎の中に入って行く鉄平の背中を眺める有美の顔が真剣で怖かった。
「だめ~!!鉄平ちゃんに手、出したらだめだから」
敦子が有美と私の間に入って、大きな声を出す。