恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「え、やっぱり凛って鉄平狙いだったの?」
驚く有美に、ただ顔を赤くする私。
「え、それは・・・・・・」
恋愛に慣れていない私はこういう場面でどうしていいのかわからない。
「凛の初恋なんだから」
敦子は私の代わりにそう言って、私の肩に手を回した。
「う、うん。そうみたい」
美紀は私の頭を撫でながら、かわいいかわいいと言った。
しばらく黙っていた有美。
「そういうことなら、凛に頑張ってもらおうかな。私は、凛と違って恋多き女だからさ」
有美はあっさりとそう言って、私に握手を求めた。
「頑張りなよ。ちゃんと告白するんだよ」
その声を聞いた部員みんなが、私の周りに集まり、冷やかした。
恥ずかしいけど、嬉しかった。
これで、もうライバルはいない。
私だけが、鉄平を好きなんだって思うと、嬉しかった。