恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「鉄平ちゃん、凛って言ったぁ~!エッチ!」
敦子が盛り上がると、鉄平は少し顔を赤らめた。
「あぁ~!!もういい。今日の練習、終わり!!」
鉄平は、ボールが入ったかごを一つだけ持って、歩き出す。
振り向いた鉄平は、残ったかごを指差した。
「それだけボールあれば、足りるだろ?」
「はい。サーブ練習しておきます」
「いいよ。俺が来るまで休憩しとけ。倒れるぞ」
“特別”って感じがした。
鉄平にとって、全員がテニス部員だけど、私だけちょっと違う扱いというか。
それが嬉しかった。
凛って呼んでくれた。
ふたりだけの居残り練習ができる。
嬉しい!!!!
生きてるって最高!!