恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
そんなこんなで合計50本ほどのサーブを受け続けた。
鉄平も疲れているはずなのに、全然疲れた顔も見せずに笑顔を向ける。
「大丈夫か?休憩入れるか?」
「大丈夫です!!」
いつも緊張していたレシーブ。
だんだん緊張感が取れて、“絶対取るぞ”って気持ちになってくる。
鉄平のサーブ、あと何日受けられるんだろう。
この夏休みが終わったら・・・・・・
一生鉄平とはテニスできなくなるのかな。
「おい。どうしたんだ??」
一瞬集中力が抜けたのを鉄平は見逃さない。
「集中しろ!」
厳しい口調でそう言って、トスを上げた。
来た。
真っ直ぐに。
サーブが。
「お~!!!ナイスレシーブ!!10球連続成功だー!!!」
「やったぁ!!!」
私よりも喜んでくれる鉄平。
真ん中のネットまで駆け寄ってくれて、私の頭にラケットを乗せた。