恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「何だよ。別にお前を煮て食うわけじゃないんだから」
「べ、別に」
「あ~、雷激しくなってきたなぁ。これじゃあしばらくは帰れそうもないな」
嬉しいような恥ずかしいような、生まれて初めての感じ。
「ここ、座っていいか?」
鉄平は部室の端にある汚いソファを指差した。
「いいですけど、汚い・・・・・・」
「見たらわかる。案外女子の部室の方が汚いって聞くからな」
鉄平は、頭にタオルを乗せたまま、ソファに腰掛けた。
私は入口付近に突っ立ったまま固まっていた。
「まぁ、お前もくつろげよ。まだ雨はやまないぜ」
きゃーー!!
“やまないぜ!”って言った。
何それ~
鉄平っぽくない。