恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「なぁ、これ俺のこと?」
鉄平はソファの横の壁を指差した。
「何?」
「これ。ここに相合傘、書いてある」
「嘘!!誰が書いたの?」
「鉄平って書いてある。こっちは、凛って・・・・・・」
きっと敦子の仕業だぁ~!
このかわいい字は敦子。
「冗談で書いたんだと思います」
動揺した私はお茶のなくなったペットボトルに口をつけた。
「いいな。中学生って」
鉄平は、小さな窓から暗くなった空を見つめながら言った。