恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「めちゃめちゃ嬉しいな、それは。俺は、自分が中学生の時に何も考えていなかったから、お前らには考えて欲しかった。大人になるってことは、自由も増えるけど、考えることがいっぱいになる。今のお前らを見ていると、俺も戻りたいって思うよ」
鉄平は、思っていた通りの人だった。
初めて会ったあの瞬間から感じていた。
鉄平は熱い人。
鉄平は何かを一生懸命やり遂げた人。
だからこそ、私達の気持ちを理解してくれるんだ。
「中学生に戻りたい?」
「ああ、もう一回バカみたいにテニスしたい」
「今はできないの?」
「就職とか、勉強とかいろいろ考えなきゃいけなくて。テニスはもちろんしているけど、それだけに集中できない。でも、お前らと一緒にいるときだけは、テニスのことだけ考えられるんだ」
また遠い目をした鉄平。
大学生って大変なんだ。
ドラマとかでしか見たことないから、美味しいランチ食べて適当に遊んでいるのかと思っていた。