恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
翌日の朝練に、鉄平は来てはくれなかった。
みんなが集まる時間に来た鉄平はいつも通りの練習をした。
きっと誰も気付かない。
誰も気付かないよ。
鉄平が私を見てくれない。
名前を呼んでくれない。
でも、自然過ぎて誰も気付かない。
居残り練習にも誘ってくれなかった。
「今日は居残りしないの?」
「うん」
部室で着替えながら、ソファを見つめた。
ふたりだけの秘密。
この部屋でふたりきりでいたこと。
いろんな話をしたこと。
ドキドキする。