恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「会えなくなるなんて・・・・・・」
私は床に落ちる涙をじっと見ていた。
「連絡先、聞けるって!凛、一番仲良しだもん。絶対また会えるよ!!」
敦子はそう言って、私の涙をタオルで拭いてくれた。
家までの道のりをゆっくりと歩く。
何をしていても鉄平のことばかり考えてしまう。
明日も朝練には来てくれないだろう。
もう嫌われたのかな。
夜になり、私は鉄平からもらった携帯電話の番号を書いた紙を机から出した。
電話・・・・・・
してみようかな。
用事があるわけでもないけど、ないわけでもない。
紙を見つめたまま10分が過ぎた。
窓から見える月。
鉄平の言葉を思い出す。
今は今しかない。
後悔しても、遅い。
震えそうな手で、鉄平に電話をかけた。