恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「おう、おはよう。コレ、こないだのおわび・・・・・・」
鉄平は、私よりも早くコートに着いていた。
最初に会った日にくれた炭酸ジュースを私に手渡した。
「いいの?ありがとう。でも、おわびって?」
「だからぁ・・・・・・こないだお前のこと怒らせちゃっただろ?」
「あ、こちらこそ、逃げたりしてごめんなさい」
「いや、俺の方こそ、突然ごめん」
「ううん。私が何か勝手におかしくなってしまって・・・・・・逃げてしまっただけなんです。怒ってなんか全然ないです」
鉄平はホッとしたような表情を浮かべた後に、手を差し出した。
「じゃあ、仲直りの握手」
私はそ~っと右手を近づけた。
「もうあんなことしないって」
鉄平はそう言いながらゆっくりと握手をした。
「え?」
手を離そうとしても、鉄平は手を離してくれなかった。
てか、私も離したくないけど。