恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「何もできないけど、鉄平には元気でいて欲しいから」
正直な気持ち。
私は鉄平に何もできないんだ。
でも、鉄平が元気になってくれるなら、素直な気持ち、言うよ。
だって、本当に部員みんなが鉄平に感謝してるんだ。
「また抱きしめたくなるからそれ以上言うんじゃないぞ?」
鉄平はそう言って、ネットを片付け始めた。
鉄平の言動にも少しずつ慣れてきた。
前までなら赤面して倒れそうになっていたと思う。
“また抱きしめたくなる”なんて。
慣れたと思ったけど、思い出すたびにドキドキして、その夜はずっと眠れなかった。