恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
最後の練習
―最後の練習―
みんなで考えて、鉄平のお別れ会をすることになった。
お別れ会と言っても、休憩時間にちょこっとするだけだけど。
みんなで持ち寄ったお菓子。
色紙にみんなで寄せ書きをした。
個人的に手紙を書こうと思ったけど、手紙を渡すと最後になってしまいそうだったから書けなかった。
今日で最後?
本当に?
もう明日からこのコートに鉄平はいない?
「凛、本当にこのままでいいの?」
「好きって言わなくていいの?」
自分でもよくわからなかった。
あれから毎日朝練を一緒にしていたけど、日に日に鉄平は真面目になっていった。
私をドキドキさせる言葉もあの日以来言わなくなった。
必死で、教えてくれた。
残り少ない時間を無駄にしないように、一生懸命教えてくれた。