恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
「鉄平ちゃぁ~~ん!今から鉄平ちゃんのお別れ会をしまぁす。30分だけ時間ください」
昼休憩の時に、鉄平を呼び止めた。
驚いた顔をした鉄平は、みんなの顔を見渡した。
「俺の?わざわざ、お別れ会なんてしてくれるのか?」
嬉しそうな顔。
良かった。
鉄平、嬉しそうだぁ。
「うまいなぁ、これ」
私が手作りしたサンドイッチを一番に食べてくれた。
「それは凛の手作りだよ」
ニヤけながら美紀がそう言うと、鉄平は照れたような顔で私に目を合わせた。
「ありがとな。うまいよ」
涙、出ちゃだめ。
最後だもん。
笑顔で見送るんだ。