恋する夏は微炭酸。 -2010年夏休み短編-
恋した夏の結末は・・・
―恋する夏の結末は・・・・・・―
「なぁ、雨降りそうだと思わない?」
レシーブ練習の途中で鉄平が言った。
私は空を見上げた。
さっきまでオレンジ色だった空が、グレーに染まっていた。
「うん」
「降って欲しいと思わない?」
久しぶりの鉄平のこういう発言。
「うん。思う」
「今日は、素直だな」
「だって最後だから」
ふたりで空を見上げた。
ポツリ
ポツリ
「これから大雨になるぞ!!部室に避難しよう」
腕を掴まれて。
部室まで走った。
「鉄平?全然大雨にならないっぽいよ」
「いや、絶対に大雨になる」
部室の中は、誰かが使ったスプレーの匂いがしていた。