みるくきゃんでぃー
黙っているキョースケくん。
これだけで、泣きそう。
「それ誰から訊いた?」
「訊いたってゆーか、
見てれば分かるよ。」
「遊んでるってゆーか。
デートしてキスするぐらいだよ?」
━━━━━━━━━は!?
キスするぐらいってアンタ!
キスってぐらいなの?
「キスって
遊びでするものなの?」
あたしが訊くと
「キスなんて、
しても減るもんじゃないし。」
この人の脳みそ、大丈夫なのか?
嫌いな人とも
キスできちゃうの?
なんとも思ってない人にも
キスできちゃうの?
あたしにもキスできちゃうの?
「減るもんじゃなくても
そんなのおかしいよ!」
「キスくらいならどーでもいいよ。
抱くってことになったら
話は別だけど・・・・。」
「・・・・・・・・・・・っ」
あたしは言葉を失った。
キョースケくんがこんな人だったなんて。
「・・・・てかさぁ。
佐久間って
俺のこと誘ってたんじゃねぇの?
佐久間、可愛いから
抱いても良いかなーなんて。
俺、思ってるけど。
どーする?」
どーする?って
お前はバカか!
だぁれがお前に抱かれるかっ!!
お前なんか豚でも抱いてろ!
って言ってやりたかったが
「結構です。
あんたに抱かれるほど
あたし、軽くないですし!
そこらへんのと一緒にすんな。」
そう言って
キョースケくん、いや
〈長谷川〉を突き飛ばして
あたしは家まで帰った。