【花集】水たまりに映る花火
そして、四年目の花火大会を迎える。


その日は朝から雨が降り続いていた。


「ずっと、この雨が続けばいいのに」


コンビニの中から外を眺めながら、そんなことを願った。




もし、花火大会が無くなれば、あの日、後悔したことを思い出すこともないし、二人を見ることもない。





だけど神様はイジワルだ。

雲は切れ、雨が徐々に弱まる。


駐車場に出来た水たまりの水滴の波が少なくなっていくたびに、悲しさが溢れ出そうになる。


外に出て耳を澄ましてみると、ドーン、ドーン・・・と花火の音。








この花火の音を聞くのはこれで最後。

思い出すのもこれで最後。






もう諦めよう。

そう心に決めた。



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