【花集】水たまりに映る花火
「いらっしゃいませ、こんばんは」


奏大君がコンビニに入ってきた。

奏大君はいつものようにスポーツドリンクを買って、花火の棚の前に立った。


だけどいつもと様子が違う。




毎年買うはずのバラエティーパックが線香花火だけになって・・・ライターを買って。


隣には、宮部さんの姿は無かった。


「おねがいします」


奏大君はいつものように、私に商品を手渡した。


「宮部さんは、外で待ってるの?」


バーコードを読み取りながら、奏大君に話しかけた。


「・・・・・・いないよ」


「え?いないってどういうこと?」


「そのまんまの意味」


奏大君はそれだけ告げて、私にお金を手渡した。


「お釣りは帰りに持ってきて。外で待ってるから・・・行けない、なんて無しだからな」


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