【花集】水たまりに映る花火
バイトを終え外に出ると、奏大君は私の自転車の隣でしゃかんでいた。


「お、きたか」


奏大君は私の姿を見つけると、ニコリと優しく微笑んだ。


「どうして・・・・・・?宮部さんがいるじゃない」


「あいつとは別れた」


「え!?」


「あー!もう!そんなことより、一緒に行きたい場所があるんだ。自転車の鍵貸して!」


奏大君は、じれったいとでも言うように、私に手を差し出した。


訳が分からなかった私は、とりあえず奏大君に鍵を渡した。


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