【花集】水たまりに映る花火
キイイーーッ


私は大学の体育館前に自転車を停めた。


「ハァ、ハァ・・・もしかして間に合わなかったのかな?」


体育館には電気がついていなかった。


私はジーンズのポケットから携帯を取り出して、時間を確認した。


9時5分前。

奏大君がコンビニに来るいつもの時間から逆算すれば、丁度いいはずなのに・・・・・・。


「すれ違っちゃったのかな?」


私はため息をつきながら、自転車にもたれかかった。


「みずたまりさん?」


「!!」


私はビックリして慌てて体を起こし、振り向いた。


そこにいたのは奏大君だった。


「どうしたの?こんなに遅く」


「あの・・・今日バイト休みだったから・・・それで・・・・・・」


奏大君に会いたかったなんて言えない私は、かわりに自転車カゴに入れていたものを取り出し、渡した。


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