【花集】水たまりに映る花火
「はい。バスケの練習お疲れ様」


私は汗をかきはじめたペットボトルを奏大君に渡した。


「え?これ届けてくれるためにわざわざ?」


「うん」


「・・・・・・ありがとう」


奏大君は私からペットボトルを受け取り、微笑んだ。


パキッと音を立て、ペットボトルのキャップが開く。


奏大君は美味しそうに、ゴクゴクと喉を鳴らして、一気に半分スポーツドリンクを飲み干した。


「みずたまりさんも飲む?」


奏大君は、私にペットボトルを差し出した。


「ううん、いいよ、私は!」


首をブンブンと横に振り、必死で抵抗した。

だって、間接キスなんて恥ずかしいから。

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