【花集】水たまりに映る花火
「ふうん。そっか」


奏大君は軽く唇を尖らせて、ペットボトルのキャップをギュウっと閉めた。


「あ、奏大君」


「ん?何?」


「147円頂戴致します」


「え!?何?お金取るの!?おごりだと思ったのに!」


「ゴメン、嘘」


「みずたまりさん、最悪だー」


奏大君は笑いながら、コツンと私の頭を優しく叩いた。


「じゃあ、お礼。自転車貸して。送ってく」


奏大君は半分になったペットボトルを自転車のカゴに入れて、私の自転車のハンドルを握った。



だけど、私はすぐに奏大君に自転車を貸せなかった。








だって・・・・・・


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