【花集】水たまりに映る花火
その日の夜。


バイトから帰ると同時に、携帯に電話がかかってきた。

奏大君からだった。


「もしもし」


『あ・・・今電話大丈夫?』


「うん」


『あの、さ。みずたまりさん・・・再来週の土曜日に花火大会があるんだけど、良かったら一緒に行かない?』


素直にその言葉が嬉しかった。





だけど・・・・・・





「ごめん。その日はバイトなの・・・それに・・・・・・」


『それに?』


「ううん、なんでもない。ごめんね・・・行けない」


『そっか、うん。分かっ・・・・・・』




プッ・・・・・・ツーツーツー




奏大君が言い切る前に、私は自分から電話を切ってしまった。


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