【短編】生チョコ

伝票

沙理奈が食べ終わるのを待つ間、私は中学時代の記憶を消すのに必死だった。

この前実家に帰ったのはいつだっただろう。

正月ぐらいは帰っておいでという両親に、あいまいに返事をして結局帰らなかった。

可愛がっていた犬のルンボは、最近寝てばかりいるらしい。

「お待たせしました。」

ごちそうさまでしたと、沙理奈は小さく手を合わせた。
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